石黒 章夫 教授

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石黒 章夫 教授

クラスター:システム

専門の研究領域と研究テーマ
ロボティクス、数理科学
動物が示す適応的運動機能の発現機序解明とロボティクスへの応用

関連ウェブページ
http://www.cmplx.ecei.tohoku.ac.jp/

基本情報

職位

教授

所属部局

工学研究科

分野名

ロボティックサイエンス

研究手法と
テクニック

ロボットの構築を通した生物理解,自律分散システム制御

研究室所在地

青葉山キャンパス 電気情報系1号館517号室

電話番号

022-795-3781

メールアドレス

ishiguro [@] ecei.tohoku.ac.jp

所属学会

日本ロボット学会,計測自動制御学会,日本数理生物学会

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経歴

1991年 名古屋大学大学院工学研究科博士後期課程修了。工学博士
1991年 同大学工学部助手
1997年 同大学大学院工学研究科助教授
2006年より現職

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主要業績

A. Ishiguro, A. Fujii, and P. Eggenberger Hotz, Neuromodulated Control of Bipedal Locomotion Using a Polymorphic CPG Circuit, Journal of Adaptive Behavior, Vol.11, No.1, pp.7-17 (2003)

M. Shimizu, A. Ishiguro, M. Takahashi, T. Kawakatsu, Y. Masubuchi, and M. Doi, Adaptive Shape Reconfiguration of a Decentralized Motile System Exploiting Molecular Dynamics and Stokesian Dynamics Methods, Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.16, No.3, pp.271-277 (2004)

S. Tokura, A. Ishiguro, T. Kawashima, and S. Okuma, Hardware Implementation of Neuromodulated Neural Network for a CPU-less Autonomous Mobile Robot, Advanced Robotics, Vol.20, No.12, pp.1341-1358 (2006)

A. Ishiguro, M. Shimizu, and T. Kawakatsu, A Modular Robot That Exhibits Amoebic Locomotion, Robotics and Autonomous Systems, Vol.54, pp.641-650 (2006)

D. Owaki and A. Ishiguro, Mechanical Dynamics That Enables Stable Passive Dynamic Bipedal Running, Journal of Robotics and Mechatronics, Vol.19, No.4, pp.374-380 (2007)

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研究紹介

地球から遙か遠くの天体へピンポイントで探査機を到達させる、あるいはコンピュータがチェスの世界チャンピオンを打ち破るなど、近年の最先端知能化技術の発展ぶりには目を見張るものがある。その一方で、「われわれが普段何気なく行っているような行動」を生み出すような知能発現のメカニズムはまったく理解されておらず、人工物に実装することはきわめて困難である。すなわち、あらゆる生物種が持つような根源的な知能(適応的運動機能、生存脳機能などと呼ばれる)に対峙すればするほど、あるいはわれわれ人間が日常的に何気なく行っている動作になればなるほど、その工学的実現が難しくなるという何とも皮肉な状況にあるのが現状である。

われわれの興味の対象は、原初的な生物ですら見せる生存脳機能、すなわち予測不能的に変化する環境内を実時間適応的に動き回る能力の背後にある「からくり」を明らかにすることである。この「からくり」を理解するためには、大きく分けると二つのアプローチがある。ひとつは言うまでもなく、生物そのものを対象として、その中身をさまざまな手法を用いながら奥へ奥へと調べていくという解析的なアプローチである。それでは、もうひとつのアプローチとは何だろうか?われわれは、ロボットをツールとして用いるアプローチを挙げたいと思う(数値シミュレーションという方法もこれと深く関係している)。このアプローチの最大の利点は、設計パラメータを自在に改変できるため、「作りながら理解する」という構成論的かつ仮説駆動的な研究ができる ことである。生物もロボットも三次元物理環境下で同一の力学法則に支配されているという点では対等の存在であることは言うまでもない。したがって、その「からくり」に普遍的な原理があれば、生物とは構成材料(モノ)が異なるロボットにおいても同等の機能(コト)を発現できると考えるのは自然であろう。「目的」ではなく「手段」としてのロボットが持つ意義はここにある。生物学にとってロボットは重要なツールとなりうるのである。

われわれが現在進めている具体的な研究を以下に示す。いずれの研究もその背後には、「個々の要素は単純な機能しか持たないが、それらを多数集めて適切な相互作用を行わせると、個々の持つ複雑性からは想像もつかないようなノントリビアルな機能が発現する」、あるいは「脳(制御 系)単体に知能の発現を帰着して議論することはできない。脳、身体、そして環境間の相互作用を通して知能は発現する」といった思想に立脚している。

・粘菌に着目したアメーバ様モジュラーロボットに関する研究
・個体発生過程をモチーフとした自己組み立ての工学的実現
・自己修復・再生の工学的実現に関する研究
・2脚歩行ロボットを用いた適応的歩行の発現原理の解明
・安定な走行を実現する身体の力学的特性に関する研究
・歩行と走行のシームレスな遷移に関する研究


c2_32_ishiguro_a1
製作したアメーバ様ロコモーションを発現するモジュラーロボットのプロトタイプ。
左:障害物突入前。
右:障害物突入後。形態を変形しながら環境に対処している様子が見て取れる。


c2_32_ishiguro_a2
適応的運動機能の発現機構を理解するために構築した歩行ロボット。

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担当授業

現在情報整理中になります

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メッセージ

これから脳科学を志すみなさんへ
脳は複雑であることは間違いないのですが、一方で脳を構成している神経細胞の数は有限です。ここにこそ深い問題が隠されています。それは、なぜ有限な計算資源しか持たない生き物が、予測不能的に変動する(それこそ無限の変化の様相を示す)実世界環境にリアルタイムで対応できるのか、という問題です。この困難な問題と真っ向から取り組むためには、生物学のみならず、工学、物理学、数理科学といった学問領域もきわめて重要です。日頃から複眼的思考ができるように意識することが大切です。一緒に研究できるのを楽しみにしています!

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