職位 |
准教授 |
所属部局 |
文学研究科 |
分野名 |
言語学 |
研究手法と テクニック |
各種行動実験、眼球運動計測、EEG、MEG、fMRI、NIRS、など |
研究室所在地 |
川内南キャンパス 文・法合同棟 |
電話番号 |
|
メールアドレス |
koizumi [@] sal.tohoku.ac.jp
|
所属学会 |
日本言語学会、日本認知科学会、言語科学会、Linguistic Society of America、Organization for Human Brain Mapping、American Association for the Advancement of Science |
Koizumi, M., and K. Tamaoka. (2010) Psycholinguistic evidence for the VP-internal subject position in Japanese. Linguistic Inquiry 41(4), 663-680.
Kim, J., M. Koizumi, 他10名 (2009) Scrambling effects on the processing of Japanese sentences: An fMRI study. Journal of Neurolinguistics 22, 151-166.
Koizumi, M. (2008) Nominative object. S. Miyagawa and M. Saito (Eds) Oxford Handbook of Japanese Linguisitcs. Oxford University Press. 141-164.
Koizumi, M.(2006) The split VP hypothesis. In R. Freidin and H. Lasnik (eds.) Syntax: Critical Concepts in Linguistics. Routledge. 244-273.
Tamaoka, K., H. Sakai, J. Kawahara, Y. Miyaoka, H. Lim, and M. Koizumi. (2005) Priority information used for the processing of Japanese sentences: Thematic roles, case particles or grammatical functions? Journal of Psycholinguistic Research 34, 273-324.
私たち人間は特別な障害がないかぎり誰でも生後数年で言葉を自由に操れるようになります。それは言葉を獲得し使用するための仕組みが生まれながらにして私たちの脳に備わっているからです。これはちょうど「鳥が空を飛べるのは飛べるようにできているからだ」というのに似ています。 私は、言葉を話したり聞いて理解したりするためのこの不思議な脳の仕組み(構造と機能)を研究しています。また、その成果を外国語教育や失語症のリハビリ、危機言語の保存などに応用し、人々の幸せやより良い社会創りに貢献したいと考えています(図1参照)。
現在は特にグアテマラの先住民言語のひとつであるカクチケル語を対象に研究を行っています。日本語や英語など多くの言語の理解(聞く、読む)や産出(話す、書く)の際に、主語(S)が目的語(O)に先行する語順(SO語順=SOV, SVO, VSO)のほうが、主語が目的語に後続する語順(OS語順=OSV, OVS, VOS)よりも処理負荷が低く母語話者に好まれる傾向があることが知られています(SO語順選好)(図2参照)。従来の文処理研究は全て英語のようにSO語順を基本語順にもつSO型言語を対象にしているため、SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか、あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分かりません。この2つの要因の影響を峻別するためにはOS語順を基本語順に持つOS型言語で検証を行う必要があります。そこで、私は東北大学や他大学の研究者と協力して、VOS語順を基本語順にもつカクチケル語(マヤ諸語のひとつ)の理解と産出のメカニズムならびにその獲得の過程を、フィールド言語学、理論言語学、実験心理学、脳科学などの知見を結集して多角的かつ統合的に検証し、語順選好の背後にある要因を明らかにして、言語を司る認知機構の解明に貢献する研究プロジェクトに取り組んでいます。

マヤ族の女性が伝統的な衣装であるウィピルを身につけて新しいウィピルを織っている

SOV語順の文(「田中が吉田を追いかけた」など)を読んでいるとき(SS)よりも、OSV語順の文(「吉田を田中が追いかけた」など)を読んでいるとき(CS)のほうが左脳の前頭葉の一部の活動が高まることを示した図

言語獲得に関する研究計画の一例