瀧 靖之 教授

基本情報経歴主要業績研究紹介担当授業メッセージ

瀧 靖之 教授

クラスター:臨床

専門の研究領域と研究テーマ
脳画像解析学
「ヒト脳の発達と加齢、及びそれらの修飾因子の研究」

関連ウェブページ
http://www.nmr.idac.tohoku.ac.jp/

基本情報

職位

教授

所属部局

東北大学加齢医学研究所/東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター

分野名

機能画像医学研究分野/予防予測医学研究部門

研究手法と
テクニック

多数のヒト健常被験者の脳磁気共鳴画像を用いて、年齢、生活習慣などの因子と脳形態、脳血流、脳白質統合性等の相関を、voxel-based morphometry、voxel-based analysisの手法にて解析を行っている。

研究室所在地

星陵キャンパス 加齢医学研究所 プロジェクト棟

電話番号

022-717-8582

メールアドレス

yasuyuki.taki.c7 [@] tohoku.ac.jp

所属学会

Organization for Human Brain Mapping
日本医学放射線学会
日本神経放射線学会
日本老年医学会
日本脳ドック学会
日本神経科学学会

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経歴

学 歴
平成5年3月31日 東北大学理学部生物学科卒業
平成5年4月1日 東北大学医学部入学
平成11年3月31日 同上 卒業
平成11年4月1日 東北大学大学院医学系研究科博士課程入学
平成15年3月31日 同上 修了
職 歴
平成15年4月1日 東北大学医学部付属病院 医員
平成16年4月1日 東北大学加齢医学研究所 助手
平成20年4月1日 東北大学加齢医学研究所 准教授
平成24年8月 ~東北メディカル・メガバンク機構 教授
平成25年8月 ~東北大学加齢医学研究所機能画像医学研究分野 教授
平成29年4月~東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター 教授  副センター長

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主要業績

Taki Y, Kinomura S, Sato K, Goto R, Kawashima R, Fukuda H. A longitudinal study of gray matter volume decline with age and modifying factors. Neurobiology of Aging, in press.

Taki Y, Kinomura S, Sato K, Goto R, Wu K, Kawashima R, Fukuda H. Correlation between degree of white matter hyperintensities and global gray matter volume decline rate. Neuroradiology, in press.

Taki Y, Hashizume H, Sassa Y, Takeuchi H, Wu K, Asano M, Asano K, Fukuda H, Kawashima R. Correlation between gray matter density-adjusted brain perfusion and age using brain MR images of 202 healthy children. Human Brain Mapping, in press.

Taki Y, Kinomura S, Sato K, Inoue K, Goto R, Okada K, Uchida S, Kawashima R, Fukuda H. Relationship between body mass index and gray matter volumes in 1428 healthy individuals. Obesity Research. 16:119-124, 2008.

Taki Y, Kinomura S, Sato K, Goto R, Inoue K, Okada K, Ono S, Kawashima R, Fukuda H. Both global gray matter volume and regional gray matter volume negatively correlate with lifetime alcohol intake in non-alcohol-dependent Japanese men. A volumetric analysis and a voxel-based morphometry. Alcoholism: Clinical and Experimental Research. 30: 1045-1050, 2006.

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研究紹介

画像 杉浦先生本研究者は、多数の健常被験者の脳磁気共鳴画像(MRI)を用いて、健常な脳の発達と加齢に伴う、脳の形態、血流などの変化を明らかにし、併せて、どのような生活習慣などの因子が、これらの脳の発達、加齢に影響を与えるかを明らかにしている。

このような研究を行うため、東北大学加齢医学研究所において、健常な日本人の脳MRIおよび生活習慣などのデータを、約2300人分収集し、データベース化した。年齢幅は、5歳の小児から80歳代の高齢者まで、非常に幅広いデータになっている。これらのデータベースを用いて、年齢相応の脳発達、脳加齢、及びどのような因子がこれらに影響を与えるかを解析している。

その結果、これまで多くの興味深い新知見が得られている。

まず、20歳代~80歳代の健常成人被験者を対象に、加齢に伴う脳萎縮部位を明らかにした。その結果、脳萎縮の主体は白質ではなく灰白質で、更に灰白質でも前頭前野、シルビウス裂周囲などが加齢において、より顕著に萎縮することを明らかにした(Taki et al, 2004)。更に、脳萎縮を促進させる要因として、高血圧、飲酒、肥満などが重要であることを明らかにした。飲酒に関しては、これまで慢性アルコール中毒患者において、前頭頭頂部の脳萎縮を来すことは明らかになっていたが、我々は健常人においても、生涯飲酒量と同部の脳萎縮に有意な相関があることを明らかにした(Taki et al, 2006)。肥満に関しては、これまで中年期の肥満が老年期の認知力低下と相関がある可能性が示唆されていたが、我々は、健常人において、肥満の尺度であるBody Mass Indexが大きくなるほど、海馬などの灰白質が萎縮することを明らかにした(Taki et al, 2008)。

更に、我々は、381人の20歳代~80歳代の健常成人被験者を対象に、脳MRIを用いて全脳灰白質量の減少速度に関する縦断研究を遂行した。その結果、男性は女性よりも全脳灰白質量の1年あたりの萎縮速度が有意に早いことを明らかにした(Taki et al, 2010a)。更に、日本人女性の閉経年齢にほぼ一致する50歳を境界とし、50歳未満、50歳以上で男女それぞれ4群の全脳灰白質量の1年あたりの萎縮速度を比較すると、50歳未満の女性群は有意に萎縮速度が遅いことも明らかにした(Taki et al, 2010a)。これは近年複数の報告があるエストロゲンの神経保護作用を反映している可能性が考えられた。

また、我々は、健常小児の脳発達にも焦点を当てている。例えば、脳血流量は、発達と共に、脳の異なる領域で異なるタイミングで変化kすることが明らかになった(Taki et al, 2010c)。これらの結果は、シナプスの枝張りや刈り込み等の発達に伴う変化が部位により異なったタイミングで起きている可能性を示唆している。

このように、我々は大規模脳MRIデータベースを用いて、ヒトの脳の発達、加齢のメカニズムを明らかにしている。


c2_32_taki_y1
飲酒により萎縮する脳の領域。前頭葉上部、頭頂葉などは、生涯の飲酒量が多いほど萎縮することが明らかになった。


c2_32_taki_y2
肥満により萎縮する脳領域。肥満により、海馬などの灰白質が萎縮することが明らかになった(赤スケール)。一方、ある程度の肥満により、逆に保たれる脳領域があることも明らかになった(青スケール)。


c2_32_taki_y3
発達による脳血流量の変化。前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉でそれぞれ異なったタイミングで脳血流量が変化している。これは、脳発達のタイミングには部位差があり、一般に後方から前方に発達していくことを示唆している。

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担当授業

現在情報整理中になります

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メッセージ

学部生のみなさんへ
学部では、自身の専門領域の勉強が増えると思います。しかしながら、研究者を目指すには幅広い知識も必要になります。そのため、自身の専門領域を深めることと、幅広い領域の知識を習得するという、相反する二つの知識習得が必要になります。
それから、研究者は英語能力(読む、書く、だけでなく聞く、話すことも)が大変に重要になります。特に英会話の技術を上げることは、研究者としても非常に有用です。時間のあるときに少しずつでも英会話の機会を作ることは、将来の自分を必ず助けます。

高校生のみなさんへ
将来どのような職業に就いて、どのように社会に役立つ人になるか、そのためには大学では何を勉強し、どのようなことを経験することが良いのかを、受験勉強の合間に考えることはとても有用です。
そのためには、今の自分は、勉強でも人間性でもスポーツでも、どのようなことでも良いので、他人よりもどのような点で秀でているかを客観的に見極めることが必要です。それが分かれば、その能力を伸ばすことを自覚できるようになります。

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