八尾 寛 教授

基本情報経歴主要業績研究紹介担当授業メッセージ

八尾 寛 教授

クラスター:分子・細胞, 融合領域, 回路

専門の研究領域と研究テーマ
シナプス可塑性、回路形成、オプトジェネティクス

関連ウェブページ
http://neuro.med.tohoku.ac.jp/

基本情報

職位

教授

所属部局

生命科学研究科

分野名

脳機能解析

研究手法と
テクニック

オプトジェネティクス、分子生物学、遺伝子工学、電気生理学、免疫組織化学
ラット、マウス、ニワトリ胚、ゼブラフィッシュ、トランスジェニック動物
脳スライス、スライス培養、初代培養、培養細胞、シンドビスウィルス、AAVウィルス、レンチウィルス、レトロウィルス
パッチクランプ法、機能イメージング、光刺激法

研究室所在地

片平キャンパス 生命科学プロジェクト総合研究棟

電話番号

022-217-6208

メールアドレス

yawo-hiromu [@] m.tohoku.ac.jp

所属学会

日本生理学会、日本神経科学学会、北米神経科学学会

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経歴

1981年      日本学術振興会奨励研究員
1981年-1993年 京都大学医学部助手
1985年-1987年 米国ワシントン大学マグドネル奨学研究員
1993年     京都大学医学部講師
1995年-2001年 東北大学医学部教授
1999年-2005年 科学技術振興機構戦略的創造研究(CREST)
「脳を知る」研究代表者
2001年より現職

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主要業績

Sugiyama Y, Wang H, Hikima T, Sato M, Kuroda J, Takahashi T, Ishizuka T, Yawo H. (2009) Photocurrent attenuation by a single polar-to-nonpolar point mutation of channelrhodopsin-2. Photochem Photobiol Sci. 8(3):328-336.

Wang H, Sugiyama Y, Hikima T, Sugano E, Tomita H, Takahashi T, Ishizuka T, Yawo H. (2009) Molecular determinants differentiating photocurrent properties of two channelrhodopsins from chlamydomonas. J Biol Chem. 284(9):5685-5696.

Ishizuka T., Kakuda, M., Araki, R. and Yawo, H. (2006) Kinetic evaluation of photosensitivity in genetically engineered neurons expressing green algae light-gated channels. Neurosci Res 54:85-94.

杉山 友香, 石塚 徹, 王 紅霞, 八尾 寛 (2009) チャネルロドプシン - オプトジェネティクスへの招待. 現代化学,459, 30-36

八尾寛, 石塚徹 (2008) 学習・記憶のシナプス前性メカニズム. Brain Nerve 60:725-736.

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研究紹介

オプトジェネティクス
生物の生み出した光感受性チャネルタンパク質(チャネルロドプシン)を脳の神経細胞に発現させることにより、神経細胞を光で操作することができます。この技術は、オプトジェネティクスとよばれています。私たちは、分子生物学的にオプトジェネティクスを発展させ、オプトエレクトロニクスと融合させることにより、光を媒体とする脳への情報入出力システム、フォトバイオ―オプト・エレクトロBMIを開発しています。これを応用したオプト・カレントクランプ法により、中枢神経ニューロンそれぞれの固有の振動特性を把握するとともに活動パター ンにどのような意味情報がコードされるかを解明します。これらの研究は、神経活動パターンの解読システムや神経回路駆動システムの基盤になります。また、光を媒体とする脳への情報入出力モデル動物を作製しています。たとえば、Thy1.2プロモーターの下流にチャネルロドプシン2を発現するトランスジェニックラットの一系統では、中枢および末梢のさまざまな神経細胞にチャネルロドプシン2が発現します。これをモデルにフォトバイオ―オプト・エレクトロBMIを評価しています。

神経細胞新生
海馬歯状回顆粒細胞層下部で生後に起こるニューロン新生は、学習・記憶を始めとした海馬依存的な機能に寄与しています。しかし、単一レベルで神経幹細胞の系譜に着目し、海馬ネットワーク内でどのような過程を経て成熟ニューロンまたは、グリア細胞などへと至るのかといった研究がほとんどなされていません。私たちは、海馬スライス培養とレトロウイルスによる新生細胞標識法を組み合わせることにより、単一の前駆細胞がニューロンやグリア細胞へと分化する系譜を解析しました。その結果、海馬スライス培養における前駆細胞の系譜では、一方がニューロンで、その片方がグリア細胞に分化するといった非対称分裂は認められませんでした。また、一方がニューロンで、もう一方が表現型の同定できなかった細胞といった系譜もほとんど認められませんでした。神経細胞に分化する系譜に属するものには、細胞分裂直後に消失するものが顕著に認められました。すなわち、細胞の消失時期、または消失細胞の残存期間からその新生過程においてCritical periodが新生後1~2週間目に存在することが示唆されました。スライス培養を用いたこの研究法は、生後のニューロン新生のメカニズムの解明やこれを制御する薬物の評価を促進することが期待されます。


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オプト・カレントクランプ法による大脳皮質ニューロンの光入力応答特性の解析

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担当授業

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メッセージ

学部生のみなさんへ
私たちは、神経細胞のネットワークに注目し、シナプスが「環境」や「経験」により変化するメカニズムを分子のレベルで解明する過程で、脳の多様で複雑な機能の背景にある基本原理を見出しつつあります。また、基礎研究に培った技術を応用し、光を使って脳と直接情報をやり取りするブレイン・マシン・インターフェース(BMI)プロジェクトを推進しています。この未知と刺激に満ちた世界にチャレンジしよう。

高校生のみなさんへ
私たちの研究は、いわゆる基礎研究です。基礎研究というのは、"what?"、 "how?"、 "why?"などの好奇心が原動力になって展開していきます。そのなかで、新しい技術が発明され、蓄積されていきます。このような技術のなかに、非常に斬新で、世の中の役に立つものがあります。応用科学の発明に比べ、基礎科学から生まれる発明は、意外性に優れており、私たちの生活を一変させてしまうことがあります。ここに、基礎科学の重要性の一つがあります。私たちの日々の研究で生み出したアイディアを、応用という視点で見直すと、「脳と光で対話する」技術を作り出してきたことに気づきました。つまり、光で脳の機能が研究できるということは、脳の中の情報を光の信号として取り出し、情報を光で脳へ送り込むことができるということになります。これを進めると、脳とコンピューターをつなぐとか、動物と心を通わせる、巨大ロボットとからだが一体化するなどのSF的な技術が生まれると考えています。

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